計算方法と根拠
相続放棄の期間
民法915条1項は、相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続について単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならないと定めています。この期間は、利害関係人または検察官の請求により、家庭裁判所で伸長できます。
期間の数え方
民法140条により、期間の初日は算入しません。民法143条2項により、月で定めた期間は起算日に応当する日の前日に満了し、最後の月に応当する日がないときはその月の末日に満了します。たとえば1月10日に知った場合、起算日は1月11日で、3か月後の4月10日が末日です。
月末に知った場合
知った日が月の末日のときは、起算日が翌月1日になるため、3か月後の月の末日が満了日になります。たとえば9月30日に知った場合は12月31日です。
末日が休日のとき
民法142条は、期間の末日が日曜日・祝日などの休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、翌日に満了すると定めています。家庭裁判所の受付がこれに当たるかは、この計算では判断しません。期限の直前を避け、早めに家庭裁判所へご確認ください。
使っている式
| 名前 | やっていること | 式 |
|---|---|---|
| 3か月後の月(12を超えれば翌年へ) | 知った日の月に3を足した数です。12を超えると翌年の月になります。 | mT0 = m + months |
| 翌年になるか(1=なる) | 知った日が10月〜12月のとき、満了日は翌年になります。 | wrap = if(mT0 > 12, 1, 0) |
| 満了日の月 | 3か月後の月です。 | mT = mT0 - wrap * 12 |
| 満了日の年 | 3か月後の月が属する年です。 | yT = y + wrap |
| 知った日の年がうるう年か(1=うるう年) | 4で割り切れ、100で割り切れない年、または400で割り切れる年を1とします。 | LI = if(y % 4 == 0 && (y % 100 != 0 || y % 400 == 0), 1, 0) |
| 知った日の月の日数 | 知った日の月の日数です。 | dimI = if(m == 2, 28 + LI, if(m == 4 || m == 6 || m == 9 || m == 11, 30, 31)) |
| 満了日の年がうるう年か(1=うるう年) | 満了日の年がうるう年なら1です。 | LT = if(yT % 4 == 0 && (yT % 100 != 0 || yT % 400 == 0), 1, 0) |
| 満了日の月の日数 | 満了日の月の日数です。 | dimT = if(mT == 2, 28 + LT, if(mT == 4 || mT == 6 || mT == 9 || mT == 11, 30, 31)) |
| 入力した日が暦にあるか(1=ある) | たとえば2月30日のように存在しない日付なら0です。 | valid = if(d <= dimI, 1, 0) |
| 月末またはその前日に当たるか(1=当たる) | 知った日が月末のとき、または3か月後の月に起算日の応当日がないときは1です。このときは民法143条2項により満了日が3か月後の月の末日になります。 | edge = if(d == dimI || d + 1 > dimT, 1, 0) |
| 満了日の日 | 知った日が月末なら3か月後の月の末日、そうでなければ同じ日付(その月にないときは末日)です。 | dEnd = if(d == dimI, dimT, min(d, dimT)) |
| 期間の末日(年)(結果) | 3か月の期間が満了する日が属する年です。 | yT |
| 期間の末日(月)(結果) | 3か月の期間が満了する日の月です。 | mT |
| 期間の末日(日)(結果) | 3か月の期間が満了する日です。末日が休日の場合の扱いは家庭裁判所で確認してください。 | dEnd |
| 月末などで日付の数え方に注意(1=注意)(結果) | 1のときは民法143条2項の「月の末日に満了」で求めています。迷うときは早めに手続してください。 | edge |
| 入力した日が暦にある(1=ある・0=ない)(結果) | 0のときは日付が実在しないため、結果は使えません。 | valid |
式の記法: + - * / ^(べき乗)、かっこ、min / max / round / ceil / floor / pow / abs / sqrt、if(条件, 真のとき, 偽のとき)。round(x, 桁) は四捨五入、ceil は切り上げ、floor は切り捨てです。
設定値(定数)と出典
| 項目 | 値 | 出典 | 時点 | 見直しの周期 |
|---|---|---|---|---|
| 熟慮期間(月数) | 3か月 | 民法915条1項(e-Gov法令) | 2026年10月27日 | 民法の改正のたびに e-Gov で確認(次回見直し 2027年4月1日) |
入力できる範囲
| 項目 | 範囲 | 初期値 |
|---|---|---|
| 自己のために相続の開始があったことを知った日(西暦の年) | 2020〜2060年 | 2027年 |
| 知った日の月 | 1〜12月 | 6月 |
| 知った日の日 | 1〜31日 | 15日 |
結果は、同じ条件なら本サイトのどのページでも同じ数字になります(ページの数字も、計算ツールも同じ計算の仕組みで出しています)。
ご利用にあたって
- 「自己のために相続の開始があったことを知った時」がいつにあたるかは、個別の事情で判断が分かれます。この計算は、入力した日を知った日とした場合の暦の計算だけです。
- 期間の末日が休日の場合の扱い、熟慮期間の伸長の申立て、単純承認とみなされる行為への注意は、家庭裁判所・弁護士・司法書士に確認してください。最終判断は専門家・窓口へ。
- 民法の条文(e-Gov法令検索)にもとづく目安です。法令の基準日は2026年10月27日の確認時点です。